SF小説 銀河大戦

銀河大戦 第39話

大決戦!

火星宙域、赤い惑星を背にして、無数の戦艦が宇宙を埋め尽くしていた。

帝王キング・バアル率いるハイデビロン帝国の大艦隊が、
銀河連邦軍の火星基地へ総攻撃を仕掛けてきたのだ。

黒い帝国戦艦の群れが、重力圏外から一斉砲撃を開始する。

無数の光線が宇宙を裂き、火星軌道に浮かぶ防衛ステーションが次々と爆発していった。

それを迎え撃つため、銀河連邦軍の艦隊も出撃する。

しかし、戦力差は歴然だった。

火星基地司令部では、緊迫した空気が張り詰めていた。

「博士、敵からの通信が入りました」

クロッペンシュタイン博士は、ゆっくりと振り向く。

「スクリーンに出してくれ」

次の瞬間、巨大スクリーンに一つの姿が映し出された。

それは、帝王キング・バアル。

エラントラの肉体に宿った、暗黒の帝王だった。

冷たい笑みを浮かべながら、画面越しに語りかけてくる。

「クロッペンシュタイン博士だな?」

その声には、宇宙を支配する者の圧倒的な威圧感があった。

「我は帝王キング・バアル! この全宇宙を支配する者だ!」

暗黒の瞳が輝く。

「お前の持っているコスモクリスタルを引渡し、全面降伏せよ!」

博士は一歩前に出た。

その声には、少しの恐れもない。

「愚かな! そんな要求には答えられん!」

キング・バアルは不気味に笑った。

「我の力を見せてくれるわ!」

艦隊の背後で、巨大な暗黒エネルギーがうねる。

「全宇宙は、我が飲み込んでやる!」

「ゲハハハハ…」

通信が途切れた。

博士は、すぐに指示を出す。

「アンナ司令官、ハヤトくんが到着するまで、奴らの猛攻を耐え凌ぐんだ」

しかし、アンナ司令官は静かに首を振った。

「多勢に無勢。もって10分かと…」

司令室の窓の向こうでは、連邦艦隊が次々と撃沈されていく。

「もう、私たちには食い止めておく力はありません」

博士は拳を握り締めた。

「諦めるな…!」

その時だった。

通信オペレーターのリサが、突然叫んだ。

「アンナ司令官!」

スクリーンに新しい光点が現れる。

「地球連合軍からの増援の艦隊が、
 更に、首長国連合の艦隊も、こちらに向かってきています!」

銀河連邦軍のレーダーに、新たな艦隊が次々と映し出される。

博士は深く息を吐いた。

「なんとか、間に合ったようだな」

増援艦隊が、火星宙域へ突入する。

宇宙戦争は一気に拡大した。

レーザー砲、ミサイル、重力兵器が交錯し、
戦火は、ついに銀河規模の戦争へと発展していく。

だが、戦況は依然として厳しかった。

帝国軍の戦力は圧倒的だったのだ。

地球連合軍旗艦。

艦橋では怒号が飛び交っていた。

「長官、ライトウイングのサンペドロ艦隊及びレフトウイングのヤマモト艦隊が全滅です」

「スターフォースが到着するまで耐えるんだ」

長官の声には、決死の覚悟が込められていた。

しかし、状況は悪化する一方だった。

「大佐、中央第七艦隊ウズシオが撃沈されました!」

さらに、警報が鳴り響く。

「敵旗艦、メフィストスのミハイルコルドゥーン号が、こちらに向かってきます!」

「弾道ミサイルが飛んできます!」

巨大なミサイル群が、旗艦へ一直線に迫ってきた。

「うああああ…!」

その瞬間だった。

宇宙に一筋の閃光が走った。

次の瞬間、ミサイル群が次々と爆発する。

すべてが一瞬で破壊された。

艦橋に驚きの声が響く。

「スターフォースです!」

特殊戦艦ダイダロス号が、火星宙域に到着したのだ。

通信回線が開く。

「待たせたな!」

ハヤトの声だった。

「ガイア、行くぞ!」

旗艦のスクリーンに、長官の顔が映し出された。

「ハヤトくんか…」

長官は静かに微笑んだ。

「大きくなったな…」

その目には、懐かしさが浮かんでいた。

「私は、君のお父さんの上官だった…」

短い沈黙。

「君も彼と同様に勇敢なパイロットに成長したな…」

そして、力強く言った。

「ハヤトくん、人類の運命を君に託す!」

その言葉を受け、ハヤトはブレードナイトに装甲変化した。

眩い光が宇宙を包む。

装甲が展開し、光と共にブレードナイトが現れる。

その姿が、戦場へ飛び出した。

超高速機動で敵艦隊に突入し、エクステンドランサーが閃光を描く。

帝国戦艦が次々と爆発していった。

戦況は一瞬で逆転し始める。

しかし――

暗黒のエネルギーが宇宙に広がった。

帝王キング・バアルが動いたのだ。

エラントラの身体が黒い光に包まれる。

装甲が変形し、巨大な暗黒騎士が現れる。

ダークナイト・メンデル。

ブレードナイトの前に立ちはだかった。

宇宙の中心で、二体の騎士が対峙する。

ハヤトは剣を構えた。

「さあ、決着をつけようぜ!」

暗黒騎士が低く笑う。

「いいだろう…!」

次の瞬間――

二体の騎士が同時に動いた。

宇宙戦争の中心で、人類の未来を賭けた最後の決闘が始まった。

ハヤトは、人類の希望を背負い、燃え上がる戦火の中へと駆け抜けていった。

つづく

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