SF小説 銀河大戦

銀河大戦 第8話

拉致された家族を救え! 後編

ハヤトは叫ぶようにフェニックスファイターを呼び寄せ、瞬時にシフトインした。
コクピットを包む光が収束し、視界に戦場が広がる。

同時に、ダイスケのドラゴンキャリア、トミーのシャークマリンもそれぞれ帰還・搭乗を完了する。

「行くぞ――!」

ハヤトは操縦桿を強く握った。

「ニュートリノ・レーザービーム!」

純白の光条が夜空を切り裂き、ドクトとトンへを一撃で貫いた。
爆炎が連鎖し、敵影は瞬時に消滅する。

「ハイパー・レールガン、発射!」

ダイスケの砲撃が追撃し、

「プラスト・ミサイル、発射!」

トミーのミサイルが畳みかける。
敵の残骸が、火花となって大地に散った。

だが――。

機械獣ペクチョーンが、咆哮と共にハヤトへ突進してきた。
重力を歪める衝撃波。フェニックスファイターは急旋回し、辛うじて直撃を免れる。

「くそっ……!」

反撃に転じようとした、その瞬間。

《ハヤト君、聞こえるか》

ジンダイジ博士の通信が割り込んだ。

《君たちの超重戦闘マシンには、まだ切り札がある。
バイオノイド・トランスフォーム機構だ》

「変形……?」

《マシンとパイロットの精神回路を同調させ、戦闘能力を飛躍的に高める。
今こそ使うんだ!》

ハヤトは一瞬だけ息を呑み、そして笑った。

「――やってやるぜ!」

「チェンジ! ナイトモード!」

フェニックスファイターは光に包まれ、機体構造を再編成していく。
翼は折り畳まれ、装甲は人型へと組み変わる。

その姿は、炎の紋章を宿す騎士
――フェニックスナイト。

「俺たちも続くぞ!」

「チェンジ、ドラゴンモード!」

ダイスケのマシンは龍型戦闘ロボ、ドラゴンキャノンへ。

「チェンジ、シャークモード!」

トミーのマシンは鮫型のシャークスライダーへと変形した。

三体のバイオノイドが、戦場に並び立つ。

「ダイスケ、トミー――行くぞ!」

ドラゴンキャノンの砲門が唸り、
「ハイパー・トリノキャノン!」

機械獣の右肩装甲が吹き飛んだ。

「今だ、トミー!」

「了解!」

フェニックスナイトは、シャークスライダーの背に跳び乗る。
二本の剣を構え、加速。

「――オールレンジ・アルファドライバー!!」

炎を纏った突撃が、機械獣ペクチョーンを正面から貫いた。

次の瞬間――
閃光。
爆音。
そして、沈黙。

機械獣は跡形もなく粉砕され、戦場に静寂が戻った。

「……すげえ威力だな」

トミーが呆然と呟く。

「ああ……やったな」

ハヤトは、ゆっくりと剣を下ろした。

無人島海底基地へ帰還したスターフォースを、疲労が襲った。

ハヤトはコクピットから降りた瞬間、膝をつく。
ダイスケは頭を押さえ、トミーは操縦席から動けなくなっていた。

「無理もない」

ジンダイジ博士が静かに語る。

「バイオノイドモードは、精神エネルギーを直接戦闘力へ変換する。
その反動が出ただけじゃ」

「……鍛えれば、慣れるってことか?」

「その通りじゃ」

アンナ艦長は三人を見渡し、微笑んだ。

「今日はもう休みなさい。よくやったわ」

だが、その勝利は、新たな危機の始まりでもあった。

ハイデビロン帝国地球侵略軍前線基地。

「スターフォースが、超重戦闘マシンを実戦投入したとの報告です」

バラキーム大佐が報告する。

「機械獣は……破壊されました」

アルトゥール将軍は低く唸った。

「やはり、ヒノモト皇国は厄介だ。
ミサイルを撃ち込み、マシンを引き渡すよう脅せ」

「核を使っても、ですか?」

「構わん」

バラキームは、優雅に一礼した。

「では、戦場に――美しい花を咲かせましょう」

超重戦闘マシンという希望を得た代償として、
ヒノモト皇国は、再び危機に晒されることとなった。

卑劣な脅迫。
迫り来るミサイル。

ハヤトは、まだ癒えぬ身体を引きずりながら、故郷の空を見上げる。

――守れるのか。
――この星を。家族を。

銀河大戦は、確実にその牙を剥き始めていた。

つづく

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