SF小説 銀河大戦

銀河大戦 第6話

超重戦闘マシン登場!

プリンシパリティ号の医務室。
静寂の中で、生命維持装置の低い駆動音だけが響いていた。

担架に横たわる男の顔を見た瞬間、
アンナ艦長は息を呑んだ。

「……博士……?」

思わず漏れたその声に、ハヤトが振り返る。

「艦長、この人を知っているんですか?」

アンナは、ゆっくりとうなずいた。

「ええ。彼の名はジンダイジ博士」
「ロボット工学超大国・ヒノモト皇国――銀河連邦科学技術研究所の所長よ」

クルーたちが、ざわめく。

「プリンシパリティ号の開発に関わったクロッペンシュタイン博士と同じく、
彼もまた……極秘プロジェクトの中核にいた人物なの」

「極秘……?」

ダイスケが眉をひそめる。

「この艦とは別の、もう一つの計画よ」

「それって……」

トミーとリサが身を乗り出す。

アンナは一瞬、言葉を選び――そして覚悟を決めた。

「銀河連邦軍は、秘密裏に新型戦闘マシンを開発していたの」
「従来の戦闘機を遥かに凌駕する、超高性能兵器よ」

「マジか……」
ハヤトの声が低くなる。

「じゃあ、博士はそのために……?」

だが、その答えは、本人の口から語られることになった。

一方その頃。
ハイデビロン帝国・地球侵略軍司令部。

アルトゥール将軍は、重厚な玉座の前に三人の大佐を集めていた。

「敵は一隻。だが、侮れん」

「ならば――」

バラキーム大佐が、芝居がかった仕草で言う。
「華麗に、美しく叩き潰すのがよいでしょう」

「いやいや」
パクキャンサー大佐が腕を組む。

「騎士道に則り、正々堂々と――」

「うふふ……」
チェムラヒム大佐が妖しく笑う。

「私が、ささっと終わらせてあげるわよぉ?」

「黙れ!」
アルトゥール将軍の怒声が響いた。

そのとき――
ゆっくりと前に進み出た影があった。

神官シルビア。

「将軍。良い考えがございます」

「申されよ」

「敵の中には、この地球に“守るべき者”がいるはず」
「その者たちを拉致し、囮にするのです」

将軍の目が細くなる。

「隙を見せた瞬間、一斉攻撃――」
「一網打尽でございます」

「……なるほど」

アルトゥール将軍は、ゆっくりと笑った。

「卑劣? いいや、戦争とはそういうものだ」

「この作戦、あなたに任せます」
そう言い残し、シルビアは去っていった。

「ククク……」
「やつらの命運も、ここまでだ」

医務室。
ジンダイジ博士が、ゆっくりと目を開いた。

「……君たちは……?」

「博士、ここはプリンシパリティ号です」
アンナが優しく声をかける。

「私は艦長のアンナ・イナバウワー」

「そうか……間に合ったか」

博士は、弱々しく微笑んだ。

「お願いがあります」
「ある場所へ、私を連れて行っていただけませんか?」

「場所とは……?」

「南方の海にある、無人島です」
「そこに――あなた方に渡すべきものがある」

クルーたちの視線が集まる。

「超重戦闘マシンです」

息を呑む音。

「敵に発見される前に、必ず渡さねばならなかった」
「だから……あの基地まで、私自身が向かったのです」

「……命懸けだな」
ハヤトがつぶやいた。

「それだけの価値があるということです」
博士は、静かに言った。

プリンシパリティ号は、無人島へと向かった。

一見、どこにでもある島。
だが、博士は言う。

「基地の入口は、海中にあります」

艦は静かに潜行し、
自然洞窟を抜けた先で浮上した。

そこは――巨大な地下ドックだった。

さらに奥。
重厚な鉄扉が開かれたとき、クルーたちは息を失った。

光に包まれ、静かに佇む――

三機の超重戦闘マシン。

「……すげえ……」
ハヤトの声が、震える。

「本当に……やる気だな、銀河連邦軍」

ダイスケが拳を握る。
「これで……やつらに対抗できる」

だが同時に、誰もが感じていた。

これは――
戦争が、さらに激化する合図だと。

超重戦闘マシン。
それは希望か、それとも新たな地獄への扉か。

答えは、これからの戦いが示すだろう。

つづく

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