銀河を越え、時代を越え、銀河大戦は拡大する

それは一つの銀河大戦ではない~いくつもの銀河の物語だ
地球暦30XX年の遥か未来。
三つの銀河団を統一する巨大国家。
銀河連邦は、人類の進化の果てに生まれた存在――
遺伝子操作によって創られた新人類《ゲノミニアン》の反乱によって、滅び去った。連邦の誇りであった主力艦隊は壊滅。
数千年にわたり維持されてきた銀河の秩序は、
一夜にして宇宙の闇へと沈んだ。それは、政治の崩壊ではなく、文明そのものの断絶だった。
――そして百年後。
国家を失った銀河は、秩序なき暗黒の無法地帯へと変貌していた。
星々は孤立し、交易路は途絶え、力こそが唯一の正義となった時代。
そんな辺境宙域で、救助艦スピカ号は、ありえない救難信号を受信する。
ブラックホール近傍。
時間の流れそのものが歪む領域に囚われていたのは、
百年前に消息を絶ったはずの銀河連邦軍宇宙戦艦――
アストライア号だった。救出された艦内で発見された生存者は、ただ一人。
銀河連邦軍艦長、マーク・ジークフリート。
彼の主観では、戦争はまだ終わっていなかった。
だが、銀河は、すでに百年分の荒廃と混乱を積み重ねていた。
空白の百年。
崩壊した連邦。
そして、各銀河系宇宙へと覇権を拡大し続けるゲノミニアン。
深い衝撃を受けながらも、
ジークは荒廃しきった宇宙を前に、ひとつの決断を下す。――銀河連邦を、再建する。
彼を支えるのは、意志を持つ宇宙戦艦アストライア号。
新たにクルーとして加わった
船医長クラリッサ・メイ・マクダネル。天才技術者ヘンリー・ハーバード。
そして、紫の肌を持つ異星人、リゲル人ヘレン。
わずか四人と一隻。
だが、その存在は、静かに銀河の因果を揺り動かし始める。
こうして、時間と空間を越えてしまった男は、
望まぬまま、新人類ゲノミニアンとの本格的な銀河大戦へと
巻き込まれていくことになる。原作 天川航